

第26回阪本光子古布創作展
大阪駅前店:11月13日(日)~17日(木)
東京銀座店:11月27日(日)~12月1日(木)

今回で26回目を迎える阪本光子創作展。JEXでの第1回目が、
1998年11月でしたので、光子氏の古布の作品、“甦(よみがえり)”
とのおつきあいも14年目に入ります。
母が嫁入り道具にと揃えてくれた着物には殆んど手を
通さず、洋服一点張りだった私にとり、“甦”を着る様に
なってから、日本の染織物文化の計り知れない奥深さに
触れ、目が開かれる思いでした。
まず多様な染織物に付けられた名前、特に夏物の名前が
涼しげで何とも優雅な響きです。「芭蕉布」「上布」「紗」「羅」「絽」…等。さらに日本古来の伝統色の豊かさ、そしてそれぞれの色の
呼び名の格調のある事!「蘇芳(すおう)」「東雲色(しののめ)色」
「朽葉色(くちばいろ)」「浅葱色(あさぎ)色」「鶸(ひわ)色」
「利休鼠(りきゅうねずみ」…等。
日本古来の染織物の多様さ、技術水準の高さには、布や色の
呼び名を含め、崇高なまでの美意識を感じ、誇りに思うように
なりました。
ただならぬ情熱と愛情、そして英知を尽くして作られたものが、
それぞれの着手の営みの中で花を添え、多くの物語が封印されて
行った…。そのような布であればこそ、光子氏の腕が鳴るのだと
思います。氏は新しい反物では作品を作られません。それが氏の
創作の流儀です。珠玉のような尊い系譜を持つ古布であればこそ、
氏が40年欧州のオートクチュールで培ってこられた熟練技と、
類稀なカッティングの才能によって、布の持つ強い生命力を引き出す事ができるのでしょう。そして実際に、控えめな貫禄を湛え、
ユニークな洗練美をともなった“甦”が出来上がるのです。
それをまとうと、秘めた幸福感を味わえます。これは日本女性だけに
与えられた特権かもしれません。
手塩にかけられた“甦”を一人でも多くの方にご体験いただき、
日本女性の奥ゆかしい美しさを誇らしく輝かせていただきたいと
思います。
追伸:5月の阪本光子古布創作展では、たくさんの方々に東日本大震災の ご寄付を賜り、本当にありがとうございました。義援金として赤十字を通じて 被災地へ送らせていただきました。







